二重人格と多重人格

 

 

二重人格と多重人格の違い

従来の心理学では、二重人格と多重人格は、主にDIDと判断されています。DIDは日本語では解離性同一性障害と言い、以前は多重人格障害と呼ばれていました。

多重人格の人は、意識の中に二つより多数の人格が確認されることが普通で、小児期に過酷な虐待を受けていることが多く、治療に長い期間を要します。
二重人格の場合は、ストレスを感じる状況が改善されたりトラウマが解消されたりすれば、人格が複数存在する状態が長期間継続せずに、治療に長い期間を必要としない場合があります。そして、過酷な虐待のような深刻な心的外傷を体験していなくても、二重人格になることがあります。人格が多数である場合と比較すると、二重人格は障害の程度が軽い傾向があるようです。

これらの事から、二重人格と多重人格は、別に解釈した方が適切だと私は考えています。しかし、二重人格のように見えても、他にも存在する人格を認識出来ていない可能性も考えられるので、二重人格と判断するのは慎重になった方がいいかもしれません。二重人格の場合でも、人格交代がメンタルの保護に役立つ場合は、人格の数が増えていく可能性もあると思われます。

 


多面性との違い

一般的には、二面性のある性格を二重人格と言う場合があります。混同を避ける為に、二面性のある性格を指して二重人格と言うべきではないと思います。それと同じように、多面性のある性格を指して多重人格と言うべきでもないと思います。
誰にでもある程度は多面性があります。もともとある多面性と区別する為に、二重人格と多重人格は、人格交代が起こることが最低条件になると私は考えています。この考え方からすると、自己の意識の中に自分以外の人格を自覚していても、人格交代が起らなければ、二重人格や多重人格ではありません。

 


二重人格と多重人格の概念

私は、二重人格と多重人格を、人格の障害や精神疾患として捉えたのではなく、複数の人格が確認出来る精神構造としてシンプルに捉えました。

一人の人間に、特定の人格による人格の交代が繰り返し起こり、普段の人格とは別に、もう一つの人格交代する人格が確認出来る状態が二重人格で、普段の人格とは別に、二つ以上の人格交代する人格が確認出来る状態が多重人格。という解釈です。この概念からすると、以下の場合でも二重人格と多重人格になります。

健忘やその他の解離症状が特に無い場合があったとしても、二重人格と多重人格に含まれます。
人格交代が日常的に認められない状態でも、人格交代がたまにであっても何度も起こるのであれば、二重人格と多重人格に含まれます。
一人の人間に複数の人格が認められる原因が、霊的存在が精神活動を支配するような憑依現象だとハッキリしている場合でも、二重人格と多重人格の範疇に入ります。